93年
ヴィクトール・ユゴー作 辻昶(とおる)訳
岩波文庫 1954年
フランス革命期のブルターニュ地方で起きた農民反乱「ヴァンデの乱」を題材にした歴史小説。辻昶の訳がよく、非常に読みやすい。ギリシャ・ローマ・キリスト教あたりの人物が比喩として多数登場するので、そのあたりの教養にかける僕のような人間には読みにくい、、、と思いきや、訳注が充実していて使いやすいので大丈夫。
ブルゴーニュがもともとフランス(パリ)とは別個の性格を持つ王国だったこと、ピットの企み、愚昧な農民が王党派に先導される様子、ブルゴーニュの森でのゲリラ戦など、フランス革命の様子を知るのによいテキストだった。
本筋は共和国軍のゴォヴァン(元貴族。若き指揮官)と王党派のラントナック(ゴォヴァンの祖父の兄)、ゴォヴァンの元家庭教師にして共和国の公安委員会の中心人物シムゥルダンの3人の人物の戦い・ぶつかり合いであるが、その部分も面白い。
- 作者: ヴィクトール・ユゴー,辻昶
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