禁じられた遊び
1952年
フランス
こないだ読んだ「ナチ占領下のフランス」に紹介されていたので観てみた。冒頭のシーンでは、パリから脱出する人々の車列を、ハーケンクロイツの戦闘機が襲うのだが、説明は「1940年6月」、とテロップが出るだけで、現代の日本人が予備知識なしに見たら何のことかわからないのではなかろうか。
ただそのあとの話はとてもわかりやすい。冒頭シーンで両親を亡くす幼いポレットが、田舎の農家で引き取られ、年の近いミシェルと「禁じられた遊び」をする中で心を通わせる、という話。ポレットの境遇と制作年からして反戦映画ということになるのだと思うが、むしろ、くっきりと描かれている、当時のフランスの田舎の貧しさと、隣家とのいさかいや頭の固い父親・キリスト教の影響力の強さといった農村社会の姿から感じるものが多かった。
一人で見るにも、誰かと一緒に見るにもいい映画だと思う。映像も演技も脚本も良かったが、何より音楽が素晴らしかった。「愛のロマンス」はすぐにアマゾンでポチりましたとも。
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