日露戦争勝利の秘史 敵中横断三百里
1957年
黒澤明をよく見ていたら、お勧めで出てきて、黒澤明が戦意高揚に噛んでたのね、これは見ねば見ねばと借りてみた。wikipediaで見たら57年作だが戦前に黒澤が脚色したとあるから、まあこの認識はちょっと違ったけれど。
日露戦争、奉天会戦の裏で、露軍の動向を探るべく派遣された立川挺身隊(偵察部隊)を描いた映画。「命がけの任務だ、6人のうち1人でも帰ってくればよい」と伝えられ、児玉源太郎が「ええい立川隊はまだか、6人とは言わん、せめて1人、露軍の情報を持って帰ってくれればすぐに決戦だというのに」とかそんなことをのたまいながらやきもきするシーンまであるので、見ている側としては6人のうち誰が生き残るんだろうかと思いながら見ることになる。
で、死亡フラグをビンビンに立てていた沼田がやはり最初に死ぬので、次は誰だ、となるのだが、なんとなんと、そこから残り5人全員が生還するのである。
いやこれは、拍子抜けというより観ているものの裏をかく展開(そんなわけない)。
途中居眠りとかしてしまったけれど、立川隊長が前触れなくロシア語を操ったり、ロシア兵が間抜けだったり、馬賊の親玉となって工作する将校の語りから、中国人のことを当時の日本人がどう捉えていたかが伺えたりと、意外と突っ込みどころや発見が多い。
ほめているのかけなしているのかよくわからない感想になってしまったけれど、そういうの好きな人には面白い映画だと思います。
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