ガンジー自伝
蝋山芳郎 訳
子供時代から1920年の会議派ナグプル年次大会までを記した自叙伝。面白いのは前半で、引っ込み思案のヘタレ青年がせっかくイギリスに留学したのに弁護士として使い物にならず、たまたま行くことになった南アフリカで人種差別にあってボコボコにされたりする中で立派な闘士になっていく過程に引き込まれる。一方後半は老成のせいかガンジーの行動に落ち着きというか貫禄が出てくるのと、中身が会議派で地位を確立するまでの話でなんとなく盛り上がりに欠ける。
もちろん子供の時から信念をはぐくんでいく様子も描かれてはいるのだが、えぇっ、と思うところもあって、特に興味深いのが、父親がなくなった時の話。当時すでに結婚していたガンジーは、父親が亡くなる直前まで脚をさすってやっていたのだが寝床に戻ることにし、そこで寝ていた妻をみて…という。
訳が良いし、注も充実している。ガンジーは修行の一環として妻と相談のうえセックスを絶つのだが、注を読むと何度か断念して再開していることがわかる。
やっぱインドはすげーな。
- 作者: マハトマガンジー,蝋山芳郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2004/02
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 57回
- この商品を含むブログ (24件) を見る